しもやけ(凍瘡)は寒冷刺激による皮膚の血行不良からおきる皮膚病の一つです。
気温が5度前後、昼夜の気温差が10度以上になる時期に発症しやすく、手足末端や耳、鼻、ほっぺたなのど露出部にカユミや腫れ、水ぶくれや痛みなどを伴って好発します。遺伝や体質的な要素、栄養状態、内分泌異常などと関係があると言われています。
血管は寒くなると収縮しますが、寒さから回復するときには動脈が先に拡張し、静脈は動脈に対して少し遅れて拡張します。そのために太くなった動脈から細い静脈へ向かう血流が一時的に停滞しやすくなり、しもやけの症状が起きると考えられています。
しもやけは寒冷刺激に続く末端部の血行不良が本態の皮膚病で、東洋医学でもその認識は概ね同じです。
血液は良く巡るものと言うよりは、
しばしば滞るものだという点に重きを置くのが東洋医学の特徴です。血の流れが滞った状態をオ血(おけつ)と呼びます。
つまり、しもやけは四肢末端部などの局所におけるオ血と言いかえることが出来ます。一般には寒冷刺激が原因と考えられているしもやけですが、東洋医学ではオ血を作る様々な要因が、複合的に作用してしもやけを引き起こすと考えるため、その主たる原因を元にいくつかのタイプに分類できます。
また、局所のオ血になってしまう体質的原因にまで視点を広げて治療をする事も、東洋医学の特徴と言えます。発症時には症状の改善を第一に、無症状期には体質的原因までさかのぼった治療が中心となります。