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漢方薬で不妊症や内科・皮膚科の病気を改善、漢方医学を専門とする富士市の影山薬局

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冷え症冷え性

冷えを病気の入り口と考える東洋医学

現代の医学ではあまり病気として捉えられない事もありますが、東洋医学においては、冷えの感じ方は身体の状況を知る上で重要な手がかりと考えられています。
東洋医学において、体の中を巡るものとして気血水という物質的なものを想定しています。それらが過不足なく存在し、途切れることなく循環する結果として、体の熱もあるべき様に分布すると考えます。
言いかえれば、冷え症の有無やその程度は、東洋医学の指標とする気血水の状態の反映であり、体質的傾向が自覚・他覚症状を伴って表出する最初の段階と言えます。


冷え性

冷えが良くないと言われるにはいくつかの理由があります。
人間は体温変動の少ない恒温動物であり、外部環境の変化にかかわらず、出来るだけ体温を一定にすることで一年中活動することが出来る動物です。脳の働きや免疫システム、腸内細菌や筋肉のスムーズな動きに至るまで最適な温度帯があり、その温度は平熱を境に、前後それほどの幅を持ったものではありません。この温度帯を外れると体の機能は失調し、快活な生活が失われ、病気にかかりやすくなると言われています。

また、人間も自然界で目の当りにする現象と同じルールに支配されています。それは冷えはあらゆるものを凝集させ活動を低下させると言う原則です。水を冷やしていくとやがて凍りはじめ、その活動性が失われていくように、寒さで筋肉がこわばったり、血行不良になるなどは日常的に体験する凝集の作用です。
このように東洋医学では、冷えは病気の入り口で現れる体からのサインとして、また、気血水の過不足やその巡りの良し悪しを知る上での判断材料の一つとして考えています。


本当の冷えとニセの冷え

冷えにもいくつかのタイプがあります。
本当の冷えとは、熱源の枯渇による冷えです。人間は生まれた時に親から命の炎をもらい受けますが(腎陽)、加齢とともにその炎が小さくなるのは自然な事です。程度の差こそあれ、たとえ冷えとは縁のなかった壮健な男性であっても、晩年には冷えを訴える場合が多く、腎陽の低下が顕著になってきます。
一方でニセの冷えとは、燃え盛る命の炎をたくわえながらも、そこにくべる薪(まき)の供給が不充分だったり、フイゴの働きが悪く十分な炎(熱量)を得られない場合です。例えばダイエット中で食事制限をしている場合や、日頃からの運動不足で十分な酸素を取り入れられない時(低い基礎代謝)は、若さをもってしてもその不足を補えません。

ストレスフルな生活で血流が悪く体の隅々まで熱を運べない人や、熱を運ぶ媒体の不足(気血水の不足)なども、脳や内臓などの主要部位だけに熱が集中し、末端付近をまかなう十分な熱が不足しがちになり冷えを生じます。

冷え症の女性

体質に染みついた冷え

冷たいものを飲み食いしすぎたり、デート時に薄着で頑張った為に冷えてしまう事はあります。
これは物理的に冷やした結果もたらされる一時的な冷えで、その後の養生を怠らなければ大きな問題になる事はなさそうです。
ところが、毎日エアコンの中で朝から晩まで仕事をしたり、必要以上の食事制限や、運動不足で効率的に熱を作り出せないなどの状況が続いたらどうでしょう?このような状況で冷えを強く感じている場合は、いつも冷えているという状態が続いていることになります。
冷えによる凝集作用は、活発な活動を失わせ、病気に対する抵抗力を低下させる方向性を持っています。冷えが活動を低下させ病気を招き、それがさらなる冷えを作るという悪循環は体質に染みついた冷えです。どこかでこの流れを食い止める必要があります。

東洋医学では、冷えを色々な症状や病気と関連させて考えています。冷えを改善することで体の不調や病気が改善する場合も多々ありますが、それ以前に健康的な心身の基礎として、冷えにくい体を作って行く事が大切だと考えています。

漢方薬で冷え性を改善する

東洋医学による体質分類で、良くみられる冷えのタイプは以下の様なものです。
以下4つのタイプが代表的ですが、どれか一つというよりは複数のタイプをもっている方がほとんどです。漢方の古い書物に「傷寒論(しょうかんろん)」があります。冷えは医学書の表題になるくらい昔から多くの人々を悩ませてきたようです。
体質タイプによって、それに対応する漢方薬が用いられます。お気軽にご相談ください。

冷え性を治す
  • 1.陽虚タイプ
    個人差はありますが、加齢は親より受け継いだ命の炎が若い時に比べて相対的に小さくなることです。
    東洋医学で「」とは活動性や熱を指す言葉ですが、陽虚タイプは全体として活発さが失われ、背景には自覚症状を伴った冷えが常に見え隠れします。それが著しく日常生活を辛いものにしたり、病気として表れてくる場合は治療が必要になります。
    傾向として普段からあまり元気がなく、どちらかというと安静を好み、顔は蒼白く元気がありません。声は小さく手足が冷えやすいです。末端だけでなく体幹も冷えを感じやすく、飲食物は温かいものを好みます。食べ物の消化は良くなく、頻尿で透明なさらさらした尿が出ます。一般に低体温で36度に満たない日が多いなどの傾向があります。
    若い方でも成人以降に陽虚タイプになる方がいます。腎陽と呼ばれる炎が遺伝的に弱く、それに外的なストレスや疲労などが加わることで、活動量に見合った陽を作り出せない場合です。

  • 2.血虚タイプ
    東洋医学でいう体の構成成分である気血水のうち、血(けつ)が少なくなっていることによって冷えを生じているタイプです。
    熱の分配は物質的なものを介して行われますが、その中でも血の不足がとりわけ顕著な場合がこのタイプに相当します。
    例えば生理出血後に基礎体温が下がることが知られていますが、出血は解りやすい血虚の一症候と言えます。ところが問題となるのは、血(けつ)の消耗が激しかったり、熱を分配するのに十分な血が体内で作れない場合は血虚となります。
    身体を栄養し熱を運ぶ物質的なものの不足した状態ですから、体内外にわたり広汎な症状が現れます。顔色が悪く、皮ふにつやが少なくなります。めまいやふらつきがしたり、時には生理が遅れたり、月経血が少なかったり薄いこともあります。つめが割れる、髪が痩せたり艶がなくなるなど体の外に目に見える形で症状が現れやすくなります。貧血なども血虚の傾向を示します。
    物質的な不足として、その来源である飲食物からの栄養不足や偏りは、血虚を招く一因となっています。冷えは末端に現れやすくなります。

  • 3.お血タイプ
    漢方のお血(おけつ)とは、血の流動が低下し体の中の巡りが悪くなった状態を言います。
    体は血流を介して栄養分や老廃物の運搬をしますが、その際、体の中心から末端方向へ熱を運ぶ役割りをしています。血虚タイプが熱を運ぶ物質的なものの不足を指すのに対して、お血タイプは熱を運ぶ流れの停滞が顕著なケースと言えます。
    お風呂のお湯をそのままに放置すると、やがて熱い温度帯の上部と低い温度帯の下部の2層構造になります。暖かいものは上に集まり、冷たいものは下に集まると言うのは自然な事ですが、流れが停滞し、これが体の中で起きてしまうと色々と不調が現れます。
    顔などの上部はほてり気味ですが、足腰などの下部は冷えている「冷えのぼせ」のタイプが多いです。生理痛が強かったり経血が暗色、生理の遅れなどの症状として表れることもあります。手先よりも足先の方が冷えが強くなる傾向があります。

  • 4.湿タイプ
    体の中には行き過ぎた「陽」を抑えるために「陰」という物質的なものがあると想定しています。
    陰が適度に機能している内は、のぼせやほてりなどにみられる熱症状は抑制されますが、陰の陽に対する相対的なバランスが強すぎたり、陰が寒さと結びついたりした場合は冷えを生じると考えられています。
    自然界に梅雨があるように、人間の体にも季節があると考えるのが東洋医学です。湿タイプの方は体の中が梅雨のようにジメジメして陰が盛んで、水分代謝の低下を伴って冷えが表れてきます。
    めまいや頭痛、下痢、むくみ、吐き気、頻尿などの症状を伴う事もあり、下半身を中心にズシリと重く深い冷えの停滞を感じます。梅雨や長雨で症状が悪くなる事もあります。

東洋医学の考える冷えのイメージがつかめたかと思います。
脳や内臓など常に活動を止めない場所は、熱の産生が盛んなだけでなく、血流も末端に比べて最優先に供給される部分です。中心部の熱を末端まで引っ張るには、骨格筋(例えば脚の筋肉)をポンプのように収縮させ、中心部の盛んな血流を末端にまで届けさせるような働きかけが大切です。
物理的に温める、例えば暖かいものを食べるだとか入浴で芯まで温まると言う事も大切ですが、効果は一時的なものです。もちろんこれらの養生は、たとえ一時的であっても冷えから遠ざかると言う点で意味のあることです。自身の働きかけ次第では、冷え症改善の一助となると思います。

一方で、血流が熱を媒介すると書きましたが、血流は自律神経系の支配も受けていることも忘れてはなりません。通常、人間は自分の意志の力で脚を動かし、下半身の血流を一時的に改善するように作用できますが、平時、意志だけの力で脚の血管を拡張させ血流を改善させることは出来ません。(自律訓練法などで鍛えない限り)
これは自律神経と言う自動血流分配装置の様なものが体に備わっていて、血管の収縮や拡張にとどまらず、心臓のポンプの力加減まで全自動で調整する仕組みを備えているからです。運動神経を疎かにし、自律神経に頼り切った生活をしていると、ストレスや加齢などにより自律神経が失調した時に不具合を感じるわけです。

自律神経系は全身にくまなく影響していますから、冷え症に限ったことではないですが、外部からの働きかけによって鍛練していくことも大切です。
当店では東洋医学的な立場から漢方薬や養生法をご提案させていただいております。
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