基原
イネ科ハトムギの種皮を除いた種子
漢方処方の中での役割
イボ取りの特効薬として昔からよく使われてきたハトムギは現在でも尋常性疣贅の治療に用いられています。水イボの治療には効果が高いです。分類上は利水薬と言わるカテゴリーの薬で、体内の余分な水分を取り除くことが使用目標となります。ニキビ、おでき、水腫を伴う関節痛などに応用されています。
薬用のヨクイニンとハトムギとして食用に用いられてきたものとは厳密には基原が異なり、治療用としては生薬ヨクイニンを用いるべきでしょう。成分はデンプン質やタンパク質が豊富で、コイクセリドと言う成分には抗腫瘍作用があることが言われています。
実際の運用
イボの治療には単味で用いて時に驚くほどの効果を上げることがあります。麻杏ヨク甘湯やヨクイニン湯などの関節痛の処方を構成する重要な生薬であり、水はけの悪い体質者には使いやすい生薬だと思います。粉末やエキス剤では時に胃もたれを起こすことがあります。