風が吹いても痛みが走る。。
痛風と聞くと「美食家がかかるぜいたく病」というイメージがあるかもしれません。働き盛りの男性に多くみられる痛風は、高尿酸血症という尿酸値の異常が背景にあります。
血清尿酸値が
7r/dlより高い状態が続くと、尿酸値が高いと言われ痛風発作と呼ばれる関節炎を引き起こしやすくなります。尿酸値が高い状態が続くと、尿酸の結晶が関節内に溜まり、強い痛みを引き起こします。ある日突然訪れる痛風発作は風が吹いただけでも激しい激痛がはしり、完全におさまるには10日ほどかかるのが一般的です。足の親指に痛みが起きることが多いのですが、かかとや甲、時には上半身の関節にも発作は起きる場合があります。
無症候性高尿酸血症という自覚症状が無いタイプの方は、気が付かないまま放置されることになり、腎臓障害などの重大な合併症を起こす場合があるので注意が必要です。
痛風発作を起こすきっかけになるのが、アルコールの過飲、食べ過ぎ、ストレス、体の冷えなどが多いです。良かれと思って始めた運動で汗をかいた後などに痛風発作を引き起こすこともあるので注意が必要です。
漢方薬で痛風・高尿酸血症を治療する
- @痛風発作が起きていて痛みや腫れがある時
関節部の血流障害と腫れを伴う痛みに対しては、お血を取り去る駆お血薬、腫れには利水薬が応じます。痛みは通常2週間程度は続くので、漢方薬を使うことでこの期間を短縮できるよう試みます。
- A高尿酸血症の体質改善
高尿酸血症の状態は、漢方では臓毒と呼びます。これは体の中の余分な代謝産物を体の外に排泄できなくなった状態です。
温清飲と呼ばれる処方の加減法がこの状態に応じますが、汗、胆汁、尿、便などの排泄の状態を考慮した体質改善薬を続けます。慢性に経過している場合の多くは、高血圧や糖尿などを合併していることがあるため、駆お血薬を中心にそれらを加味した処方が応じます。
尿酸値の急激な低下はかえって痛風発作の誘因となる場合があります。漢方療法では尿酸値をゆっくりと低下させるよう働くため安心な治療と言えます。
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プリン体と尿酸について
私たちの体の中だけでなく、あらゆる飲食物の中に
プリン体は含まれています。そして尿酸とはプリン体の燃えカスのことです。体内でエネルギーを作り出したり細胞分裂するときには必ずプリン体が必要で、利用された後には尿酸と言う燃えカスとなって体外に排泄されるしくみがあります。尿酸は生命活動を続ける限り作られ続けられます。
ですから血清尿酸値が高い時や痛風時は、プリン体をたくさん含む飲食物は避けるように言われています。