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漢方薬で不妊症や内科・皮膚科の病気を改善、漢方医学を専門とする富士市の影山薬局

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健康を考える枠組みについて

そりの合わない上司

例えば、職場にそりの合わない上司がいて、それがどうしようもないストレスとなり、日々、胃の痛みに悩まされているなどと言う事は少なからずある話です。
他にも、頭痛や下痢、睡眠障害、食欲不振、抑うつ、イライラ、、、、挙げればきりがないほど多様な自覚症状が、程度の差こそあれ、心身の失調を伴って降りかかってくることもあるでしょう。

胃痛と漢方薬
日常と言うものをつぶさに観察してみますと、楽しかったり嬉しかったりすることは確かに多いのですが、胃の痛みの様な歓迎しがたいイベントも、日常において一定量存在することは事実です。いま仮に胃が痛いとしたら、それに対してどの様に反応するだろうか?過去に胃を痛めた事がある人でしたら容易に想像がつくでしょうし、胃を痛めた経験が無い方は、他の症状に襲われた経験を重ね合わせて想像してみてください。

胃痛の原因
多くの人がまず最初に、この胃痛から何とか遠ざかろうと思ったのではないでしょうか。そのための手段として、胃薬を飲むだとか、お腹をさする、取りあえず様子を見る、病院に行く、あるいは救急車を呼ぶなどと考えた人もいるでしょう。
どのような手段を選択するにせよ、目の前にある痛みを鎮める事に意識が向いたと思います。やがて痛みが治まれば、何事もなかったかのように日常に戻っていきます。料理中に火傷をしたり、指を誤って切ってしまった場合に、患部を冷やしたり止血の処置を施す事と本質的には大差はありません。至極普通の事です。

ところがある日、ふいに胃痛が再燃した場合や、慢性的に痛みが続くようになると、今までと違う反応を示すようになります。痛みを鎮める事に意識が行く事に変わりはありませんが、やがてこの痛みはどこからやってくるのだろうか?と以前より真剣に考えるようになります。
この胃痛という症状は、何がしかの原因に対してもたらされた結果である、そのように考えたくなるものです。因果関係をはっきりさせたい、とりわけ好ましくない事象にたいしては、そのような意識が強く働きます。なぜならば、因果とは対であり、原因に対処することで胃痛と言う結果を改善できる、という考えが根底にあるからです。


そこで原因について色々と考えを巡らせてみたところ、そりの合わない上司以外にも、乱れた生活環境、刺激のある飲食物の摂り過ぎや、運動不足でリフレッシュできていないのではないか?などと他にも思い当たる点が出てくるかもしれません。

心身にゆとりがあるうちは、生活習慣を見直そうだとか、気分転換に何かをしてみる、ストレスの原因が自分の心の持ちようにあった事に気が付けば改める、などの具体的な解決法を発想するかもしれません。他にも、薬などによる治療を甘んじて受け入れたとしても、気分転換だけは意識的に試みることで、長引く胃痛と折り合いをつける場合もあります。
これらはいずれも主体性が発揮されており、自らの胃痛に積極的にかかわろうとしているので、健全な対処法と言えます。

ところが、いつもこのようなスマートな対応ができるばかりではありません。
人生のある局面では、とてつもないストレスや、ありえない災難に突然襲われることもあります。余裕がない時ほど主体的な判断が出来なくなりますから、いくつも考えられそうな原因についての視野が狭まり、胃痛≒上司と短絡的に結びつけてしまったり、具体的な改善策を見いだせなくなるものです。主体的な判断、具体的な改善策はなくなり、結果に対する原因へのアプローチも独善的、盲目的なものになりがちです。

もちろん物事は性急に展開するばかりではありません。ゆっくりと時間をかけて余裕を失っていくこともあります。
意固地、狭量、思い込みなどは、時間をかけて醸成されるネガティブな感情です。どれほど気を付けていていも、誰しもが陥りやすいものですから、そうならないような注意が必要です。

症状の重症度や緊急度が増してくる、慢性化して心身をむしばむ、あるいは慢性化した状態に慣れきってしまう事は、症状に対する原因の視野を狭め、解決の選択肢を知らず知らず制限してしまうのです。

そうならないためにも、原因を広く関連させ、主体的な解決策を一つでも多く持つことが大切です。胃痛を改善するには、それに主体的にかかわり、選択肢が多いほうが気楽なのです。

いくつかの視点

胃痛を取り除くために当初は胃薬を飲んで改善させたとしても、何度も再燃するようならその予防や治療には、いくつかの視点を持って対処していく事が肝心です。東洋医学においては、休・食・動・心・環の5つの視点で病気に対処するよう勧めています。

  1. 休養、睡眠、休憩など、活動によって消耗した心身を回復させることは、日常を快活に活動するのと同じくらい重要な位置づけです。慢性病や不定愁訴などとよばれるものの多くは、消耗に対して回復が遅れた場合に現れてきます。
    体力や活動量、年齢や季節、体調に応じた休息を体に与えているかを確認する視点です。自律神経やホルモン系と関連が深い項目です。

  2. 身体あるいは精神活動の根源は食にあります。心身が滞りなく活動するためには、飲食物からカロリー(気)を得る必要があります。
    何をどれくらい、どのように食べるのか?そしてそれをどのように排泄していくかを問い掛ける視点です。消化、吸収、代謝、排泄、並びに消化器、泌尿器と関連が深い項目です。

  3. 食から得たカロリー(気)は、効率的に燃焼し、体の隅々まで循環させる必要があります。循環しなければ機能しないだけでなく、体のくぼみに老廃物をためることで、病気を作ったり不快な症状となって表面化してきます。
    年齢や体力に応じた身体機能や活動量を維持できているかを確認する視点です。骨格、筋肉、循環器、呼吸器と関連が深い項目です。

  4. 休食動は、お互いがその役割を補完し合う身体面における実務的な項目であるのに対して、心はそれらを高次なレベルから統括する司令塔のような役割を担っています。
    抑うつやイライラなどの情動だけでなく、意欲、主体性、幸福感、信念などを問い掛ける項目です。脳、精神活動、気分などと関連が深い項目です。

  5. 人間は社会的な生き物であり、周囲の環境との関係性の中で自己を確立しています。非自己のものはすべて環であり、天気、住宅、人間関係、仕事、情報、杉花粉、、挙げればきりがありませんが、健康に関する環に絞れば、それほど多くはありません。
    外部環境と自己との関わりや、そこから受ける影響を確認するだけでなく、主体的な人生に客観的な視点を与える項目です。


休食動心環は、健康を維持したり病気と対峙するときの具体的な戦略です。
内容は至極当たり前で、健康な時ほど、いずれの項目も充実度が高いものとなっているはずです。軽い胃痛程度では、胃薬を飲んで症状を消してしまえばよいのかもしれません。ところが、胃痛がやがて進行し、ただならぬ気配を自覚し始める頃になると、これらの5つの要素が補完し合うことなく、バラバラになっていることが多いです。

場当たり的な対処では、今までの胃薬でどうにもならないかもしれません。余裕がなくなることで視野が狭くなってしまうかもしれません。盲目的で主体的な判断を下せなくなっている場合もあるでしょう。

そこで思い出してほしいのがこの5つの視点です。当たり前のことですが、有事にはその当たり前の事が出来なくなるものですから、平時から意識する事が大切です。
これらは、病気と言う有事に体系的な視点を与えるだけでなく、養生の実践にあたり、とりかかりのヒントとなる項目です。全てをと整えようとしても徒労に終わりますが、出来る事から意識してみてください。

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