出典
傷寒論のなかで
「手足が冷えて脈が細く、途絶えそうなものには本方が主治する。この時にそのものが深い部分に冷えを慢性的に持っていれば、こちらの処方が良い」という記述があります。
効能効果
手足の冷えを感じ、下肢が冷えると下肢、または下腹部が痛くなりやすいものの次の諸症
しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛
構成生薬
当帰 芍薬 桂皮 木通 細辛 甘草 大棗 呉茱萸 生姜
使われ方
養血通脈・温経散寒の処方であり、血虚に寒凝が加わった手足の冷えや血行不良に用いられます。しもやけやレイノーなどの末端の循環不全だけでなく、リウマチや腰痛、神経痛などの痺証、生理痛や頭痛などにも用います。
胃腸への配慮があるため、胃痛や慢性胃炎などで内寒が強い人の諸症状に応じます。
コメント
大熱の処方のため、附子や乾姜などの陰血を損傷する生薬との併用には注意が必要となります。
肝経に寒邪が停滞した頭頂部痛に奏功しやすいです。
呉茱萸を含む本方は、大変苦く飲みにくいとの申し出があります。
しもやけのファーストチョイスとして使われているが、患部局面が貧血性で、肉芽形成不良のものに効きやすく、樽柿タイプには効薄い。