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見えない物におびえている人へ

目に見えないものとの戦い

試料となる溶液を板ガラスの上に滴下し、100倍に拡大された視野を覗き込むと、縦横無尽に動き回る楕円形をした無数の生物のふるまいが確認されます。渋谷のスクランブル交差点を行きかう人々の流れの様に、忙しなくどこかへ向かうのでしょう。
手足を持たない彼らは、この混沌の中をどのように移動しているのでしょうか?
その所作の因果を求めて、顕微鏡の視野を500倍程度にまで狭めていくと、彼ら一つ一つの辺縁にかすかな毛の様な存在を多数認めるようになります。繊毛(じゅうもう)と呼ばれるそれらの組織は、船艇からのびたオールのような役割をしているが、組織化された律動を巧みに推進力に変え、ミズスマシの様に水面を滑走するレガッタ競技には遠く及びません。
彼らの名前は「ゾウリムシ」。
肉眼でかろうじて認識できる限界値50μm(0.05ミリメートル)ほどの単細胞生物です。食物連鎖の絶えない円環に組み込まれ、何者かを貪食し、何者かによって捕食されながらも自らを再生し、健気に生きるミクロの生物です。
目に見えない物、それは顕微鏡を10万倍まで絞り込んで初めてその像を視野に結びます。水面をたゆたう健気な漕艇に比べたら遥かに小さく、光の届かない深海の様な静謐で、無機質な輪郭をまとうそれは「ウイルス」という名前で呼ばれているモノです。


ウイルスとは他の生物の細胞を利用して自己を複製させ、タンパク質の箱とその内部に納められた遺伝子からなる微小な構造体です。
外界との隔壁となる細胞壁を持たず、生命の最小単位である細胞すら持ち合わせていません。肉眼では決してとらえられないその実体は、しばしば人に感染することで恒常性に影響を及ぼし、病原体としてふるまう事であらわになります。エネルギー産生やタンパク質を合成する装置を持たないウイルスは、それらの機能を備えた細胞に潜り込み、一切合切の機能を無断で借用し、自らの勢力を拡大していきます。細胞内で増殖したそれは、隣接する細胞を次々と侵し、やがて少なからぬ力を持った一陣の風となって宿主に襲い掛かります。感染が成立した瞬間です。



見えるものと見えない物

ところで私たちは一体、モノをどのように見ているのでしょうか?
瞳孔から入った光は瞳の中で調節、屈折を受け最終的に網膜に焦点を結びます。網膜に届いた光は視神経で電気的なエネルギーに変換されて脳に伝達し、色彩を持った像として認識されます。これにより上下側で約60〜70度、左右180〜200度程度の視野を確保しています。

ヒトの肉眼での検出限界は50μm程度とされ、先ほどのゾウリムシ程度のサイズです。それより小さいものは目に見えないものと言う事になります。
目に見えないものは小さいものだけとは限りません。
一切の光が届かないような場所、例えば海溝の底であるとか、光すら脱出できないブラックホールのような暗黒では、いかなるものも網膜に像を結ぶことはありません。空っぽの札入れの中味をどれほど注意深く観察したところで、幅も奥行きもない黒が広がるだけです。

これとは逆に、強力な光の中でも物を見ることが出来ません。私たちは自然光の中で様々な景色を楽しむことが出来ますが、その来源である太陽そのものを見つめる事は出来ません。太陽を長く見続ければ、網膜に修復不能な傷跡を残してしまうからです。連れ合いの携帯電話をうっかりのぞき見てしまっために、関係がこじれてしまった。。。程度なら修復の余地はあるかもしれませんが。

また、遠すぎるために見えないものもあります。夜空に散らばる星達の瞬きを肉眼でとらえられるのは6等星程度までです。星空を眺めているとは、大部分の見えない黒を見ているとも言えるのです。銀河系には2000億個の星があると言われていますが、眼で見ることが出来るのは3000個です。銀河の片隅から大宇宙の神秘に思いを馳せて夜空を見渡してみても、ほとんどは見えていない事になります。こう言ってしまっては夢がありません。せめて、流れ星は見えないところで流れまくっているのですから、夜空を見上げたらとりあえずお願い事をしてみることをお勧めします。


小さ過ぎるもの、まぶし過ぎるもの、暗過ぎるもの、遠過ぎるもの、、、、見ようとして見えない物ばかりではありますが、日常において目下の脅威は小さいものにあります。

ウイルス感染の後

私たち人間も、闇夜に紛れて突如目の前に現れた微小な侵入者にただ手をこまねいているわけではありません。歩哨に立つ番兵の監視をすり抜けた隠密も、やがてその数を増すにつれ、全身にめぐらされた警戒網に捕捉されます。
招かれざるウイルスの素性は白日の下にさらされ、やがて免疫による集中砲火を受ける事になります。しかし、免疫による正確で確実な反撃には準備に時間がかかるため、ウイルスはそこに付けこみ今だ進撃の手をゆるめません。援軍要請に奔走する番兵をしり目に、細胞の機能は略取され、ウイルスたちは自らの遺伝情報とタンパク質の複製を繰り返します。やがて複製したコピーで膨れ上がった細胞を食い破り、隣接する細胞を次々と襲い、感染をより強固なものにしていきます。

その頃、ようやく反撃の狼煙(のろし)が、勇ましい進軍ラッパのごう音を伴って勢いよく立ちあがります。


方々に散らばったウイルスのさらなる侵襲を食い止めるべく、免疫細胞による反転攻勢の始まりです。体はあらゆる余力を免疫システムに投入し、ウイルスの駆逐に全力を尽くします。見えざる物と見えざるチカラとの戦いです。壮烈な局地戦の末、組織化された免疫システムによる包囲網は狭まり、刀折れ、矢尽きたウイルスはやがて戦いの場から退場を余儀なくされます。
決死の覚悟で生き延びようとする彼らは、吐しゃ物や排泄物、くしゃみや咳の飛沫、血液や体液などに逃げ込み、次なるターゲットへ食指を伸ばしてゆきます。


「孫子」謀攻篇には(彼を知り己を知れば百戦して危うからず、彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危うし)という言葉があります。見えない物との戦いにおいても常勝ではなく無敗の哲学が重んじられます。

年末から真冬にかけて毎年インフルエンザウイルスが猛威を振るいます。ワクチン接種はインフルエンザの発症や重症化の予防には一定の効果がありますが、65才以上の健康な高齢者での発病阻止率は45%と決して高いものではありません。
抗インフルエンザ薬(タミフルなど)も発症48時間以内の服用で、24時間程度の発熱期間の短縮を認める程度の効果です。
生物と非生物の境界付近にいるウイルスと言う構造体の生き物のような振る舞いに翻弄される私たちは、それらを駆逐しようとする試みの中に、耐性ウイルスの出現や治療薬による重大な副作用という新たな見えざる敵を作ってしまいます。私たちは終わり無きいたちごっこの片棒を、知らず知らずの内に担がされているのかもしれません。百戦百勝は善の善なるものにあらず。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり。免疫による消耗戦より、手洗いやうがいなどの感染予防に努めるこそ上善なのです。
三十六計逃げるにしかず。どんなに策を弄したところで、最後の最後は逃げるが勝ちと言う事です。インフルエンザ、ノロウイルス、風邪ウイルスなどが幅を利かせる時期をむかえます。
今シーズンも予防に努め、胸を張って逃げまくりましょう!

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