関節リウマチの症状
関節リウマチは関節の滑膜に炎症が起こる病気です。滑膜と呼ばれる部分で起こる炎症が腫れや痛みをおこし、次第に軟骨や骨を破壊していく膠原病です。
初期のシグナルとして、だるい、食欲がない、だるい、熱っぽいなどの漠然とした症状が現れてきます。この段階ではまだリウマチとは気づかない事が多いです。
朝起きた時に手が握りにくい、曲げ伸ばしがしにくいなどのこわばりの症状が長く続く(30分以上)ようだと関節リウマチが考えられる。リウマチの関節炎や腫れは左右対称に起こる傾向があり、指の第2,3関節に好発します。
10%の人は1,2年の内に自然寛解するが、50〜60%の人は良くなったり悪くなったりしながら徐々に全身の関節に症状が広がっていきます。2〜30%の人は症状がそのまま悪化し、急速に骨が溶けてムラスチン型関節破壊に至る。
関節以外のリウマチ症状
肘などの出っ張っている関節の皮下に固い結節が出来る場合があります。内臓に出来る場合もあり、皮下の物に比べて重い症状を引き起こすことがあるます。
間質性肺炎は重症化するケースは少ないものの、頻度は高いといわれ注意が必要です。
爪周辺に点状出血点、静脈性の血管炎として紫斑、発疹、動脈性の血管炎として皮膚や手足の指の潰瘍がみられる。内臓で起きた場合、重大な合併症を引き起こすことがあります。
骨粗しょう症や貧血は頻繁にみられ、約20%にシェーグレン症候群が、10%に橋本病(甲状腺の機能低下)がみられます。
慢性化した関節リウマチは、アミロイドーシス(アミロイドが様々な臓器に沈着し、その臓器の機能障害を起こす病気の総称)を晩期に併発しやすい。腎アミロイドーシスではネフローゼ症候群の状態になり、透析が必要な場合があります。
東洋医学の捉え方
漢方的にいうと
漢方では痺症(ひしょう)といわれています。
痛みに対する考え方として「不痛則痛(ふつうそくつう)」「不栄則痛(ふえいそくつう)」という原則があります。
- 不通則痛とは、漢方で言う体の構成成分である気血水の通りが悪くなると痛みが出るという考え方です。
- 不栄則痛とは、栄養が滞ると痛みが出まるという考えです。
気血水の通りが悪くなったり、滞ったりするのは色々な原因がありますが、症状の違いにより4つのタイプに分類できます。
リウマチのタイプ分類
- 1.風タイプ
風のように症状が変化に富みます。 痛みに遊走性があり痛みが移動しやすいです。
風が吹いたりやんだりするように症状も出たり出なかったりします。 風に打たれると悪くなりやすいです。
- 2.熱タイプ
患部に熱がこもり、赤み、痛みを増長しています。冷やすと楽で、痛みは激しいタイプです。 患部が温まると症状がつらくなります。
- 3.寒タイプ
冷えが強く、固定的で強い痛みが特徴です。暖めると症状がやわらぎ、冷やすと悪化します。 元来冷え性タイプで、血色が悪く寒い季節が苦手です。日中より夜間が痛みがつらいです。
- 4.湿タイプ
体の水分代謝が悪いため、痛みが出てしますタイプです。湿気の多い時期は症状が悪化しやすく、重いような痛みをうったえます。関節が腫れて、水が溜まることもあります。むくみやすいのも特徴です。
これら複数のタイプが混合している方もおります。季節や体調によって、急性期や慢性移行期などの病期によって症状の出方が変わってきます。
関節リウマチとは言っても症状が多方面にわたって拡大してくるのが一般的です。関節部への痛みの分類は上の4タイプですが、実際は内臓機能の失調を伴うケースも多く、それらに対応した漢方薬を使います。
体質の鑑別をしながら、症状に合った処方を用いて治療していきます。
急性増悪期の症状の緩和をし、慢性移行期は生活の質の改善や予防を目標に漢方薬を使います。
ご不明な点はお気軽にご相談ください。