基礎体温では排卵の有無や毎月の排卵パターンを予測できます。同時に高温相をつくる黄体機能や、不正出血の原因を推測できる場合があり、妊娠準備をする上での有益な情報が得られます。
ただし女性にとって毎日の検温は心理的、肉体的に負担を伴う場合があります。初めは2、3周期を目安に検温し、ある程度の排卵予測が自分で出来るようならばお休みを入れたり、排卵や生理予定日前後などプレッシャーが強い日は休憩を入れるなど無理をしないことが大切です。
基礎体温をつける目的は排卵日の予測をすることです。排卵日検査薬を併用するなど、負担の少ないやり方を見つけてみましょう。
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基礎体温については、必ずしも排卵日に温度が最低になるわけでありません。低温相の最終日に排卵を認めるものは10%程度で、基礎体温上昇期の1〜3日までの間に75%の排卵が起きると言われています。
A妊娠しやすい日を推測し性交を試みる
そもそも妊娠しやすい日とはいつでしょうか?
基礎体温上では最終低温日の2日前から体温上昇日の1日目が妊娠しやすいと考えられています。
これは
精子の受精能力が24〜48時間に対して、
卵は排卵後12〜14時間程度とされているからです。
また排卵に先立って頸管粘液(おりもの)が増えてきていることを確認できれば、精子の受け入れ準備が出来ていると考えられます。基礎体温や排卵日検査薬と併せてタイミングを知る手掛かりになります。
*性交とはカップルのコミュニケーションの一つであり、必ずしも妊娠だけを目的にしたものではありません。カップルの心身調和やつながりを確認し合うことも妊娠活動には意味を持ちます。
Bカップルで互いの意思を確認しておく
妊娠活動において特に女性は色々な情報に触れることと思います。同時に周囲からのプレッシャーや焦りを伴うものです。治療の途中で精神的に不安定になったり、不仲になったりすることがあります。
カップルの対話により解決されることや時間が解決する場合もあります。様々な情報、プレッシャーの波にもまれながら治療を継続するには、カップル間でコミュニケーションがとれている方が安定的に歩を進めることが出来ます。
道に迷った時に戻れる目印があれば良いのです。カップル間で共通の意志を共有、更新しながら妊娠活動を進められれば理想と言えるでしょう。
ポイントは
カップルが治療中に、主体的な意思決定をしていけることです。情報に流されたり、受け身の状態では早く手詰まりとなり、妊活や治療を継続できにくくなります。
C専門家に相談をする
タイミングを見ても妊娠しない場合は、20代では2年、30代では1年以上妊娠しない場合は不妊治療を考慮してみると良いでしょう。
この数字に根拠がある訳ではありませんが、女性の年齢が35歳を過ぎると妊孕性が顕著に低下することを念頭において対応する必要がありそうです。
漢方薬を用いた東洋医学的な介入は不妊治療のどのステージからも応じていますが、早めの対応を図るほうが良好な結果を得られやすいと言えます。
どうして不妊症になるのか?
個々のカップルの不妊原因を適切に判断することは難しく、妊娠成立の過程で医療が実際にかかわれることが出来る部分は限られています。
原因と思われる状況を改善してもすぐに妊娠成立とならない理由はここにあります。不妊と呼ばれる状態の背景は多様です。
不妊原因は以下のように分類されています。
- 頸管因子の異常によるもの
- 卵管の異常がかかわるもの
- 排卵異常がかかわるもの
- 卵の捕捉障害がかかわるもの
- 受精障害によるもの
- 着床障害によるもの
- 子宮内膜症に伴うもの
- 免疫がかかわるもの
これら以外にも射精障害、精子産生の異常といった男性因子の不妊症があります。不妊原因の40%程度を占めると言うデータがあります。さらにカップル間で原因の特定ができない原因不明不妊があります。
漢方では体全体の環境やホルモンバランスを整えることで、妊娠しやすい体つくりを行っていきます。
漢方薬で妊娠した方の声を頂きました。
体験談として参考になさってください。
【不妊漢方で妊娠出産された方の声】
西洋医学の治療は時に副作用が起こる事があります。漢方薬による治療は体質的なゆがみを整え、結果として
「自然に妊娠するちから」を最大限に引き出していく事が目的です。
同時に西洋医学的な治療と併用する場合には、治療効果の向上や副作用の低減に役立ちます。
- @子宮内膜の状態を整える
子宮内膜は適度の温かさや柔らかさを保つことで、受精卵をやさしく受け止めて成長させていくことが出来ます。
漢方処方の多くは婦人薬由来のものが多く、骨盤内の血流をととのえ妊娠や出産に至るまでのケアをバックアップします。
- Aホルモンバランスを整える
漢方薬を使うことで乱れていた月経周期や、高温相や低温相で起こるホルモン分泌が順調になるよう整えていきます。そうすることで自然と妊娠しやすい体に変えていくことが出来ます。
- B卵の質をあげる
女性の卵巣機能は「腎」によりコントロールされています。漢方薬で「腎」の働きをサポートすることでよりコンディションの良い卵子が排卵されるようにしていきます。
- C心身のバランスを整える
心の乱れは体の乱れにつながると考える東洋医学では、妊娠活動に伴う心身の疲れを癒すことが大切と考えます。
女性ホルモンという面からだけでなく、自律神経系や精神活動にいたる幅広いケアで、体に無理の負担をかけずになるべく自然な形で妊娠できるようにしていきます。
- D不妊治療で無理した体を休める
ホルモン剤や侵襲性の高い治療は長く治療を継続することはできません。全力以上の力で走り続けることは、短距離走のペースでマラソンを走り続けるようなもので、いつか破たんしてしまいます。
漢方は疲労した卵巣だけでなく、心身を休めることに役に立ちます。