便秘にはこれと言った定義がある訳でありません。2,3日に一度排便があり、特に異常がなければ便秘とは言えないでしょう。ところがこれが1週間に一度とか、排便の無い状態が10日も2週間も続くようならば便秘と言えるでしょう。
現代の便秘の原因の多くは食餌性の便秘で、食の欧米化や高栄養化、低残渣性の食事の常食が原因の多くを占めています。美味しい物ばかりで繊維質の少ない物ばかり食べていると便秘になっていきます。食事はばっちり気を付けているのに便秘症の方は、多くは疲労やストレスにより腸の運動が弱り、便をうまく排泄できない状態が続いてます。
運動不足の方も同様に便秘症に陥りやすくなります。
便秘を分類
たかが便秘と一言で言っても傾向によって分類が出来ます。あなたはどのタイプ?
- @器質的便秘
腸管にある腫瘍による圧迫や、術後の癒着炎症などにより、物理的に便の通過が妨げられてしまった状態です。
- A機能性便秘
けいれん性便秘
過敏性腸症候群の一症状で、腸のけいれんが原因で、便は細く、コロコロしやすい。残便感があり排便回数は増える傾向にある。時に腹痛あり。
弛緩性便秘
大腸の運動機能が弱ってしまったことにより腹圧低下をきたし、便秘状態が続いています。高齢者や生まれつき腸の運動機能が弱かったり、慢性病により腸の機能低下をきたした方、便意のがまんし過ぎなどによる便秘症。
腸内乾燥型便秘
高齢者や痩せ型の人に多く、腸管内の水分バランスが乱れることによる便秘。
東洋医学ではこのように便秘をとらえます
- @熱秘
いわゆる暑がりタイプの方の便秘です。体に熱感、のぼせやほてりが出やすく、口が渇きやすく冷たい飲み物を良く好みます。通常、便は固めで、かたくて出にくいです。下剤を使わないと排便しづらく、下剤が癖になってしまう傾向があります。比較的がっちりした体格のかたや男性に多く、虚弱のタイプには少ないです。
- A寒秘
四肢や腹や腰の冷えを伴い、冷所作業者や冷え性の人にみれる便秘。腹痛を伴うこともあり、通常、便ははじめ硬く後は軟らかいか水様です。排便は毎日あるけれど冷えで腸の働きが落ちているため残便感があるように感じやすい事もあります。
- B燥秘
やせ気味や高齢者、慢性病患者に多い。皮膚や舌に乾燥感が目立ち、腸内の乾燥によりコロコロした便しか出ないタイプ。
- C気秘
ストレスや不規則な生活習慣などにより便秘を起こしている。残便感があり、時に下痢便秘を交互に繰り返す。東洋医学の言う気虚や気滞の状態にあると言えます。
便秘症を改善するお薬は、東洋医学も西洋医学も成分的に似たようなお薬を使います。
西洋医学の言う塩類下剤や糖類下剤、小腸刺激性下剤や大腸刺激性下剤などは、漢方薬にも多く種類があります。
漢方薬では便秘症を一つの機能異常ではなく、生活習慣や体質の乱れの一端として捉えるため、体質や生活習慣に合わせた薬剤の選択になります。作用の緩和なものから強力なものまで幅広くありますが、自然に排便できるように努めてお薬は一時的なものと捉えるほうが良いでしょう。
選択される生薬としては、大黄やセンナなどを中心に排便を促し、けいれん性であれば芍薬や甘草などが応じます。アトニー体質や虚弱者には補気薬を、腸内乾燥型には潤腸作用のある薬方が応じます。近年多い過敏性腸症候群のような心因性の原因が背景にあるような場合は、柴胡剤や理気剤と言われるカテゴリーの薬を併用します。
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